スピーカーインタビュー1 直山木綿子先生
- Senshu Harvest
- 2024年10月27日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年11月4日
今年度のWinter Sessionは、ステキなゲストスピーカーとHarvestが誇る「関西モテナス隊」とのセッションが特徴です。始めから設定されたゴールではなく、それぞれの立場での意見で対話する事により、「納得解」を目指していく試みです。素晴らしいプレイヤーたちの楽譜通りではないセッションから、どんなハーモニーが奏でられるか、今からとても楽しみです。
スピーカーインタビューで初めにご紹介させていただきますのは、昨年度のWinter Sessionで基調講演も行っていただいた、直山木綿子先生です。小学校に「外国語科」が教科になるという、とても大変な課題において、根っこの部分が正しく伝わるように、日本中を飛び回ってご尽力された功績は、改めて説明の必要はないと思います。氏は今年度より関西外国語大学の教授となられ、Harvestの相談役としてもお力をお借りしております。今年度のWinter Sessionでも、関西モテナス隊を代表して歓迎講演を行っていただく予定です。

Q1 自己紹介をお願いいたします。またよろしければ、専門や実践などを教えて下さい。
直山木綿子です。現在、関西外国語大学英語キャリア学部で、主に小学校教員になりたいと願う学生と授業を創っています。私は、もともと京都市立中学校英語科教諭、その後、京都市総合教育センター(当時、京都市立永松記念教育センター)研究課で研究員として小学校英語教育のカリキュラム・教材作成、小学校の先生方への研修を行っていました。その後、同センター指導室指導主事、京都市教育委員会学校指導課指導主事を併任し、2009年度より文部科学省初等中等教育局教育課程課外国語教育推進室 外国語調査官、国立教育政策研究所教育課程研究開発センター教育課程調査官・学力調査官として勤務、2019年度より文部科学省初等中等教育局視学官として勤務していました。そして、2024年度より関西外国語大学に勤務しています。
専門分野は、英語教育です。中学校では、英語教育とともに、学級経営に力を注いでいました。毎日発行する学級通信と教室清掃が、私の生徒指導の軸だったとように思います。中学校勤務最後の三年間の中学1年生では、12月まで教科書を使わず、自主教材で指導をしており、2学期から読み書きの指導に入りました。そして、12月から教科書を読みもの教材という位置づけにし、音読、教科書をもとにQAなどに取り組んでいました。中学3年生では、入試対策として、毎時間リスニングテスト(数分)に取り組んだり、教科書を早めに終わらせ、10月からは50分のうち半分程度を個別学習に切り替え、生徒が自身が選んだコースで学べるようプリント学習をしたりしています。宿題も大変多く、生徒はつらかったと思います。
今は、大学で学生と授業を創るのをとても楽しんでいます。ただ、外国語学部4回生の授業づくりに苦労しています。AIを活用しながら、彼らの英語力向上を目指し、授業では彼らのAI相手に英語を使うモチベーションをどう高めるかに悪戦苦闘しています。
Q2 今回はスピーカーを引き受けて下さりありがとうございます。どのような経緯で、そしてご依頼を受ける決め手となったことはなんでしょうか?
スタッフの皆さんの「なんか面白いこと」という思いに乗りました。私は、日本の英語教育は、中学校英語教育が要だと思っています。小学校外国語教育に携わり、その思いを持つようになりました。日本の英語教育の未来を決めるのは、小学校でも高等学校でもない、中学校での指導だと言っても過言ではないと思っています。中学校英語教育においては、素晴らしい実践をされる先生はたくさんおられます。が、それが線となって面となって広がっていないことが課題だの一つだと思っています。点を線に、面にしていくのは行政の役割だと思います。行政は、中学校英語の指導が変わらなければならないというだけでなく、どう変わるべきかの具体を語る必要があると思っています。そんなことが、できるのが、この会ではないかと思い、Harvestの皆さんの「なんか面白こと」に乗りました。
Q3 今回のテーマは「英語教育のこと、共に考えませんか?」ですが、これについてはどのように思われますか?
共に考える人がだれか、ということが大事です。いろいろな方のご意見をお聞きすることは大事なことですが、ありきたりの、そんなこと学習指導要領の解説に書いてありますがな、と思うような話をお聞きするほどの余裕は、私にも先生方にもないと思います。借り物でない、具体を語ってくださる方のお話をお聞きし、そこからヒントを得ることができる、そんな方と共に考えたいと思っています。今回は、まさに「それ!」やと思います。
Q4 最後に今回のWinter Session への意気込みや、関西(英語科)の方へのメッセージをお願いいたします。
とにかく、みんなで元気になりましょう。私も、今、大学の授業で悩んでいます。自身の英語力の低さに日々打ちのめされながら、教師が話さない、学生同士が学び合う授業づくりを目指しています。一緒に悩んで、一緒に解決して、元気になろう!
スピーカープロフィール:
関西外国語大学英語キャリア学部教授。元京都市立中学校英語科教諭。京都市総合教育センター研究課研究員・指導室指導主事・京都市教育委員会学校指導課指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課外国語教育推進室教科調査官・国立教育政策研究所研究開発支援センター教科調査官・学力調査官、文部科学省初等中等教育局視学官を経て、現職。(大河ドラマ「光る君へ」が終わるのが悲しい。)
ーHarvest Winte Session 2024ー
2024年12月27日(金)
関大梅田キャンパス・ハイフレックス形式
全てのアーカイブ録画は後日共有されます
12時より オープニングセッション
13時より セッション・セミナー・LS開始
17時より クロージングセッション




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